ポリファーマシーについて、薬剤師が出来る事 ~ 薬剤調整メールの取り組みへの道 ②~
こんにちは。前回の記事からだいぶ間が空きました。
緩和ケアを専門としている病院勤務の薬剤師(/ω\)です。
さらに、SNSオンラインコミュニティの運営を通して、医療をオープンでフラットにすることに取り組んでいます。
前回の続きです。前回はこちら。
ポリファーマシーについて、薬剤師が出来る事 ~ 薬剤調整メールの取り組みへの道 ① ~ - 医療をもっとオープンでフラットに~IMOMI会&緩和ケアの輪~
今回は「どうしてPIMと呼ばれるような潜在的に不適切な処方が産まれてしまうのか。そして、どうして、簡単な解決が難しいのか」について書いてみます。
色々考えました。。。。
記事を書く手が止まって、アウトプット出来なくなったため、オンラインで繋がった全国の薬剤師さんに呼び掛けて4~6人のオンラインダイアログを重ねたり、
私自身の薬剤調整メール(もうすぐ100回を迎えます)の取り組みを振り返ったり、
近くにいる医師とディスカッションを重ねた結果。
出てきた答えは一つ・・・。
「誰も減らそうとしなかったから!!!」
(患者さん本人、家族、医師、看護師、薬剤師その他、すべての医療介護スタッフ…)
これに尽きるのではないか・・・と。
現に、私は、毎週担当病棟の全患者さんの処方に目を光らせ、毎週、何か減らせるものはないかと検討し、病棟患者の全主治医にメールを送り続けています。
そうすると、段々薬は最小限という文化が育ってきて、今では、医師、看護師さんから減薬の相談が来るようになりました。
中には、「薬を飲み続けたい」と希望される患者さんもいらっしゃます。
専門的な視点で見てよっぽど害がなければ、その時は無理はしません。
けれど、その背景にはどんな気持ちがあるのか考えるようにしています。
大体、「不安」「心配」「飲めなくなったと思われるのがいや」などのネガティブな気持ちが隠れているように思います。
そんなネガティブな気持ちが少しずつ昇華されていくと、薬もだんだんと手放せることが多いように感じています。
昨日、ハザマ調剤薬局の社長であられる狭間先生に質問をぶつけましたところ、
「薬に依存がある患者さんは無理はしない。
どうしてそのような状況になっているのか目に焼き付ける」
という回答を頂きましたので、私の考えは大筋間違ってなかったと安心しました(*´ω`)
これが調剤薬局の薬剤師さんだと患者さんからダイレクトに相談が来ているのだと思いますが、私は時間の制約もあるため、患者さんとの減薬交渉は医師、看護師に任せています。情報収集する際のみ足を運んでいます。(服薬指導は別にしています)
そうする事で、医師、看護師さんに薬はチャンスと条件が合えば減らすことで患者さんがハッピーになる事があるよ~と学んでもらいたいなと思ってます。
これまでも、きちんと真摯に取り組んで来られた医師、薬剤師さん、減薬を望んだのに叶わなかった経験をお持ちの患者さんもいらっしゃると思います。
色々な意見あると思いますが、
患者さんの「最期の瞬間までイキイキと生きたい」という気持ちと、
医療者の「最期の瞬間までイキイキ生きてほしい」という気持ちが、
すれ違っているとしたらとても悲しいと思います。
そして、多くの処方を内服されている方、服薬せず大量の残薬を在宅在庫されている方は、多くの場合すれ違って、複雑にこじれていることが多いのだと思います。
「減らしましょうか?」と言えない医療者、
「減らしたいです」と言えない患者さん。
その結果が、どうして2)PIMと呼ばれるような潜在的に不適切な処方が産まれてしまうのか。につながるのではないでしょうか??
みなさまはどう思われますか?
②に続く。
🌱 最後まで読んでいただきありがとうございました 🌱